本日はお忙しいなか、多くの方々にお越しいただき、誠にありがとうございます。
昨年5月、国連の拷問禁止委員会は、拷問等禁止条約の実地状況に関する第1回の日本政府報告書に対して、最終見解を示しました。拷問等禁止条約は、1984年に国連総会で採択され、1987年に発効した条約です。日本はこの条約を1999年に批准しました。日本政府は本来であれば、批准・発効から1年以内に拷問禁止委員会に対する報告書を提出する義務があるわけですが、実際に報告書が提出されたのは、提出期限から5年も遅れた2005年12月であったわけです。
こうして漸く提出された日本政府報告書に対し、拷問禁止委員会は極めて厳しい勧告を行いました。
すなわち、代用監獄の廃止、取調べの可視化をはじめとする取調べに対する規制措置の導入、入管行政・難民認定制度の改善。そして死刑執行の即時停止などです。これらの勧告は、我が国の人権状況における問題点を的確に把握した上で、具体的、かつ詳細に、改善の方策を勧告していることに特徴があり、画期的な内容と言えます。
しかも代用監獄や取調べに対する規制、入管・難民行政など4項目については、勧告から1年以内に、委員会に対して情報提供を行うことが、日本政府に求められました。つまり日本政府は来月までに、委員会へ報告を行う必要があるのです。この重要な時期に、はるばるスペインから、フェルナンド・マリーニョ・メネンデスさんにお越しいただきました。
マリーニョ・メネンデスさんは、最終見解の作成にあたり、日本政府報告書審査の主査委員として中心的役割を果たされた方であり、いわば、この勧告の生みの親ともいうべき方です。
このあと、マリーニョ・メネンデスさんからご講演をいただき、拷問禁止委員会によって我が国につきつけられた課題を示していただきます。
そして、続くパネルディスカッションでは、宇都宮大学の今井正(ただし)教授にも加わっていただき、わたしたちの今後の取り組みの方向性を明確化していきたいと思います。
このシンポジウムが、日本人の人権状況を、国際人権気順にかなったものへと転換していくための重要なステップとなることを願って、わたしの挨拶とさせていただきます。
|