日弁連においては、総会に次いで権限を有するのが理事会である。各単位会の会長等71名が理事となっており、毎月2日間にわたって多数の議案が熱心に審議されます。
私が、山口県弁護士会の会長、日弁連理事を勤めた1984(昭和59)年度には月1日だったので、日弁連会務が如何に多様になったかが理解できるところです。
5月末に、定期総会が開かれ熱心な議論があり、執行部提案の議案が全て圧倒的多数で可決され、執行部は大きな峠を越えたような感じがあります。
しかしながら、本年度の執行部には、大きな課題があります。それは「法曹人口」問題です。
この課題について、今回理事会に初めての提言案を提出しました。その要旨は、後記に示したとおりです。
この提案について理事のなかからは、これ以上の弁護士増は高収入と低収入の二極化により、食えない弁護士が出て、人権擁護という基本課題が遂行出来なくなる、という不安が提起されました。また、法曹の質ということにも、これをどのように捉えるのか大きな問題があるとの指摘がなされました。
今後のスケジュールについては、司法試験委員会が合格者を決定する前である7月理事会で結論を出し、その後、各界の意見を求めて提言の内容を豊かにしたい、と執行部の考えが明らかにされました。
また、法科大学院の問題についても論議が沸騰しました。
法科大学院の側から、法曹人口減に対する意見をどのように乗り越えるのか。この課題があることが明らかになりました。
この問題は、最重要課題ですので、2日間にわたり審議されました。
また、2日目の会議冒頭にその日朝開かれた自民党の司法制度調査会の審議結果が傍聴した副会長から報告されました。
その内容は、ロースクールバッシングが続いており、数にこだわるべきではなく、今年の司法試験は厳しく対処すべきで、司法書士等の士業は重視すべきである、等の発言があり、今年の司法試験合格者数を1000〜1200程度にすべきである、という方向について、100名程度の賛同者がある、という発言があったということです。
理事会では、この提言について説得力がない、その理由は法的ニーズについての言及がないからだ、との指摘がなされました。
一方、見直しに反対だという意見にも配慮されているようなので、その立場について説明をして欲しいという意見がありました。
東北のある単位会からは、単位会における許容される弁護士数を調べる必要がある、という要望もありました。
これに対し、執行部からは、法的ニーズについて、これを現時点で確定することは困難であり、会員全体で明らかにして行く必要があるが、ニーズは弁護士がとやかくいうことではなく、ユーザーが決めるものではないか、という考えがあると指摘し、また、法曹人口減についてはロースクール関係者から強い反対が出ている、と説明しました。
九州の理事から、法的ニーズと法曹人口問題は、国民の目線から論議すべきであり、国民は弁護士の味方ではないという意見がありました。
弁護士法人も過疎対策として活用できているという実態があり、その場合その地域住民の視点に立って考えるべきである。
鳥取の大田原理事の発言は、48期以降の若手はこれ以上の増員に反対だ、というけれども、この人たちは仕事を探す真の努力をしていないのではないか。市民のニーズはあるのに、努力しない人のことを考えると、この提言は手ぬるい、昨年程度に止める。その数値を明らかにすべきというものでした。
これに対し、執行部から、数については司法試験委員会が今年度数値2100〜2500名とされているが、質の問題を考慮して厳しく対応されるべきだとの説明がありました。
島根の水野理事からは、弁護士過疎地の問題について詳述すべきだとの発言がありました。広島の石口理事は、第1日目の理事会で、法科大学院について発言があり、大学院関係者としては法曹人口減について深刻に受け止めていると発言がありました。
岡山の秋山理事も大学院における教育内容についての発言をされました。
山口の内山理事は、親族のご不幸で山元副会長が代理出席をされたことから意見の表明はありませんでした。
執行部は、この提言を各単位会で論議をして貰い7月の理事会で可決して頂いて司法試験の確定前に提言を公表したいので宜しくお願いしたい、と要請をしました。
このような次第で、早急に日弁連の法曹人口についての提言に会員の皆さまが賛同をして下さるようお願いいたします。

写真は理事会風景
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