No.6
2008年(平成20)10月10日発行
中国ブロック選出・山口県弁護士会
日弁連 副会長 田川章次

2008(平成20)年度 第6回理事会
2008年9月18日・19日
日弁連17階会議室

第6回理事会において、多くの議題が審議され、報告も多くなされましたが、中国ブロックの会員にお伝えしたいのは、次のような点です。


2008年 新司法試験の結果

今回の新司法試験では、2,065名の合格者があった。この結果は考査委員が「数値目標にとらわれることなく」という日弁連我の提言の趣旨を踏まえたものではないかと思われる。合格点は、平成18年915点、平成19年925点、平成20年940点。仮に今回915点を合格点としたならば、合格者数は2,400名位になっていたと推定される。
ただし、今回短答式は簡単だったといわれているので、そのために合計点が上がったと言われている。
合格率は、全体33%、既習44% 未習25%なので未習の合格率が低い。
法学部出身者ではない純粋未習はもっと低い。
社会人でも法科大学院でしっかり勉強すれば法曹になれるという制度になっていない。どうやって法科大学院の在り方を追求していくのかは今後も議論するべきで、法曹人口の拡大と質の確保と仕事の確保が今後の課題である。
会長は、この点について、十分な分析ができているわけではないが、合格点を見る限り、質の確保を意識されているのではないかと思われるとのコメントをされた。
なお、司法改革審議会で論議され法務省が予定するいわゆる年間3,000人と5万人への法曹増員についての計画的数字は、別表法曹増員計画数のとおりである。
ここに上げられた新司法試験の合格者予定数は、2,101〜2,500人の計画となっており、今回の合格者数は予定された最低数2,101人を下回っている。このことが上記評価の根拠となっている。
 

■修習終了 時期と人数対応表■

第61期弁護士の登録状況について

 現行司法試験合格者の司法研修所2回試験は、609人が合格した。
弁護士登録が現在536名。29名が登録せず、任官せず。大学か求職中かわからない。
9月2日開いた就職相談会には10名が来た。そのうち4名が再チャレンジ組であったが、何故か緊迫感に欠けており今後どうするのか心配である。


小規模弁護士会助成に関する件

 担当の加藤副会長より次のような説明があった。
本年度は、16会で3,700万円援助しているが、今回改正では100名までの会が対象となる。
しかし12月に新修習を終えた弁護士の登録があるので、来年1月1日では、滋賀までの17会が対象となるのではないかと考えている。
小規模弁護士会協議会を昨年公式に認めたが、その対象会は会員数0.5パーセント以下とした。そうすると、岐阜県までの30会となる。
援助の枠を増やすのは、被疑者国選対応の負担が大きいことから、職員の確保等をして会の負担を減らす必要があるため。また、会費負担が大きく、新人が入りづらくなっている。新人が入りやすい取組みをして頂きたいこともある。

 山口県と福島県は、小規模弁護士会協議会にオブザーバー参加しているが、これは支部が集まって大きくなっているため、小規模会と同じような悩みがある。修習生の面倒を見るのも大変である。
 しかし、比率の案は、財務委員会での議論において、永続のシステムになってしまうのではないかとの意見が出されている。100名でも今の財政状況の中では大盤振る舞いで、総会では色んな議論があり得る。
苦渋の提案として理解して頂きたい。将来的に数で仕切るのか、各支部で会館があって常勤の職員がいるとか、きめ細かな基準を入れられるのか、議論したい。当面は、これでやって、次の新しいシステムは、色々な基準を模索すべきではないかと考えており、今回は、財源の面も考慮しご了承頂きたい。
 これに対し、山口県弁護士会の内山理事から、次の発言があった。協議会の基準と助成が一致するのが良いと考えている。0.5パーセント以下の会は、共通の悩みがあるということである。この線引きは合理性があると感じた。当会は会費は高いが、新入会員には半分にしている。
 問題は、人件費の問題。人件費率は4割を超えて超勤をしないように言うことはむなしい。
 もう一つは会館問題。5つの支部で作らなければならない。小さな支部もこれから職員が必要になったりする。これには賛成するが、問題を抱えていることをご理解頂きたい。


関東弁護士会連合会定期弁護士大会

 関東弁護士会連合会は、東京三会の外、東京高裁管内の10弁護士会、計十三の単位会からなっています。今年の北海道弁連総会は、7月25日午後札幌で開催されました。会員数約1万6,000人で、日弁連2万5,000人会員に対して6割にも上る大組織です。
 9月25日、正副会長会議は1時間繰り上げて9時半から始め16時半に終わって、三々五々、地下鉄等を乗り換え、横浜中華街に向かいました。
老舗の北京料理店「華正楼」で、前夜懇親会があり歓待を受けました。
 翌26日は、宿舎・会場の横浜ロイヤルパークホテルで、午前中はシンポジウム、午後から定期弁護士大会がありました。
シンポは、「市民の身近にあって利用しやすい司法をめざして」と題して、司法基盤の整備と弁護士過疎・偏在の解消について行われました。
 同連合会管内には、今なお、弁護士の足りない地域が少なからず存在しており、市民の身近にあって利用しやすい司法が実現されているとは言えないとして様々な観点から論議がなされました。
パネリストの一人として片山義博前鳥取県知事が出席されており、行政の立場から弁護士過疎の解消のための取り組みを語られ、会場からは神奈川県との違いに驚きの発言がでました。
また、岡山パブリック法律事務所の水谷賢弁護士もパネリストとして岡山の経験を熱く語られました。
中国地方から二人のパネリストが出席されており、中国ブロックが偏在・過疎解消で先進的なのだと少し誇らしく思いました。


国際人権自由権規約委員会 正副委員長 来日
多忙な日程を精力的にこなされる

 ジュネーブで開催される国際人権自由権規約委員会第5回政府報告書審査(10月15、16日)に先立ち、日本における同規約の実施状況調査と、日本の関係者と懇談して頂くため、日弁連は、大阪弁護士会と共同してラファエル・リヴァス・ポサダ自由権規約委員会委員長(コロンビア)、アイヴァン・シーラー副委員長(オーストラリア)のお二人に、来日を要請していました。
この招請に応えて、お二人は、この9月17日来日され、20日までは大阪で、21日からは東京での活動が始まりました。
21日は、打ち合わせを兼ねて歓迎夕食会を持ち、22日は、日弁連会長、法務省、警察庁、外務省に表敬訪問しました。
その際、問題となっている代用監獄たる留置施設を実際に見てもらうことができたのは収穫でした。午後には、最高裁を訪問しましたが、島田長官自ら出迎えて頂き、記念写真まで撮影できたのは幸いでした。その後、外務省に回り、ジュネーブの審査に対応するという人権人道大使と会話しました。
さらにその後、明治大学リバテイ・ホールで、ジュネーブで訴えるNGOの方々との意見交換会を行った後、お二人に日本における人権規約の課題について講演して頂き、それを踏まえてのシンポジウムを行いました。
 23日夕刻には、お二人のご労苦をねぎらうために、歓迎懇親会を屋形船で行いました。紙切り芸を見て貰い日本文化を味わって頂きました。
 最終日の24日は、参議院議員会館において院内集会を開き、11時からは日弁連各種委員との意見交換会、12時からは国会 議員との懇談会、13時からは議員主催の関係省庁担当者との懇談会を行いました。ところが、当日は首班指名の日と重なったため議員さんは多忙でゆっくりと懇談できなかったのが残念でした。
 後は、10月15、16の両日、10年ぶりとなる国際人権自由権規約委員会による第5回政府報告書審査に向け、10月12日出発で、日弁連の代表団16名が、これまで作成提出しているリポートを、前記両日の審査で有効なものとするために、有効活発なロビー活動を展開すべく行ってきます。
 このロビー活動は、規約委員会の委員やスタッフへの口頭、文書でのアピールや代用監獄の危険を知らせる「志布志事件」の映画上映も行うことになっています。私は、その団長の重責を務めることになりましたので、期待に応えるべく団員の総力を結集して成果をあげてきたいと決意しております。


大韓弁協との交流会

 日弁連と大韓民国弁護士協会(大韓弁協)との交流は、今年で22回目の交流となり、1年毎に相手国を訪問して意見交換会と懇親会を行っている。
今年は、韓国側が来日される番で、9月19日と20日の両日、東京で招待宴と意見交換会を行った。
19日午後4時頃、会長を初めとする18名の代表団が日弁連を訪問され、折から開会中の理事会に顔を出して双方の会長の挨拶が行われた。
その後、代表団は東京地裁に表敬訪問をされ、来年5月からの裁判員裁判用法廷を見学されたとのことである。そして、夕刻より芝パークホテルに場所を移して日弁連主催の歓迎招待宴を行った。
このような場合、開会の挨拶を国際担当の副会長が勤めることとなっているので、みなさんには、現代の「朝鮮通信使」(この頁のコラム欄参照)という趣旨で歓迎の意を表した。
翌20日は、土曜休日であったが、弁護士会館2階クレオで意見交換会を終行った。
テーマの最大のものは、「日本と韓国における国民参加裁判制度について」であった。