No.9

2009年(平成21)1月10日発行
中国ブロック選出・山口県弁護士会
日弁連 副会長 田川章次


 明けましておめでとうございます。2009(平成21)年を迎え、皆さまがますます
ご健勝にてご発展頂くことを心より祈念いたします。
昨年は、中国ブロックより日本弁護士連合会副会長に選出賜り、まことに有り難うございました。
 年が改まり、任期の4分の3が経過し、あと3カ月を残すのみになりました。
この間、現執行部の課題である裁判員裁判の円滑なる実施、法曹人口増スローダウンの提言等、執行部の一員として真摯に取りくんで参りました。
また、私の担当する二つの分野につきましても、関係担当者の皆さんの奮闘により大きな成果を上げることが出来ました。

 先ず、労働と貧困の問題です。10月の人権大会第3分科会におけるワーキングプアー解消の提言について、全会一致で承認を頂きました。
その提言を実行する機関として生活保護問題緊急対策委員会を「貧困と人権に関する委員会」に拡大改組することになり、生活保護法と労働者派遣法の抜本的改正についての日弁連提言を実行することとなりました。
これらの日弁連提言が、昨年末来の急激な不況の進行により、派遣切り等による失業者と生活困窮者を急増させていることに対し、関係者に大きな励ましを与えております。

 次に、国際人権問題を初めとする国際活動の問題です。
昨年5月の国連人権理事会の審査(UPR)が大きな成果を上げ、さらには、10月ジュネーブでの国際人権規約自由権委員会の日本定期審査では画期的な総括所見を得ることが出来ました。
 本年は、これらの成果を実現するための具体的な方策についての提言をすることと、
国際活動分野にについて、国際支援活動についての日弁連の基本方針を策定し、それに基づく実践を始めることです。
残された任期は、僅か3カ月でありますが、その間力一杯取りくんで参りますので、ご支援ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。


第9回理事会
 
2008年12月18・19日
 日弁連17階会議室

(1)日本年金機構の職員採用に関する意見案の件
 日本年金機構の職員採用に当たっては、過去一度でも懲戒処分を受けた者は一律に不採用・分限処分とする閣議決定は、わが国の労働法制や国家公務員法に抵触する疑いがあるので、法令に適合し、かつ合理的な人権基準を設定するよう、採用基準の見直しを求める旨の意見書案が出された。
日弁連は人権の問題として意見を言うことが大切だとして一部修正の上承認された。
(2)労働者派遣法の抜本改正を求める意見書案の件
    担当 田川
 (1)派遣対象業種は専門的なものに限定 (2)登録型派遣禁止 (3)常用型派遣も事実上の日雇い派遣防止のため日雇い派遣は派遣元と派遣先の間で全面禁止 (4)直接雇用のみなし規定必要 (5)派遣労働者と派遣先労働者との均等待遇を義務化する規定が必要 (6)マージン率の上限規制 (7)グループ内派遣の原則禁止 (8)派遣先の特定行為の禁止
8項目についての意見案が二日にわたる審議を経て承認。
(3)中央教育審議会大学分科会 法科大学院特別委員会
   「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について
   (中間まとめ)」に対する意見案の件
 法科大学院の適正規模は、教員の数も関係し、現在兼任が認められているが、専任が
本来あるべき姿である。それらを考慮すると4,000人という数が出てくる。そこで、
大規模法科大学院の大幅な定員削減が不可欠ということを明らかにしつつ4,000人と
いう数を言うこととする原案を修正し、その修正意見案を賛成多数で承認。
(4)貧困と人権に関する委員会設置の件
    担当 田川
 生活保護問題緊急対策委員会が、60年3月で設置期限が終わること、富山人権大会の第3決議の課題遂行機関として新たな委員会の設置と活動が望まれているとして提案され、承認。
(5)理事特別発言
   中国地方弁護士会連合会 石口俊一理事(広島)
 中国弁連では法曹人口問題、当番弁護士問題、高齢者問題などに力を入れている。
岡山で高齢者障がい者問題の会議があった。
鳥取県では司法サービスの倍増。
島根県では石見で他県から弁護士を受け入れた。
山口県では当番弁護士制度を積極的にやったが財政は逼迫。
島根県は20年前の人権大会で消費者庁を提案をし、今実現しようとしている。
広島では身体拘束された取調べ問題に力をいれている。
接見国賠は接見室を作る方向に役立った。
(6)「青少年が安全に安心してインターネットを
   利用できる環境の整備等に関する法律」
 平田かおり情報問題対策委員会副委員長(広島)より提案理由が述べられ、議
論が行われ執行部に修文を一任の上承認。
臨時総会
 12月5日12:30〜  弁護士会館クレオ
 臨時総会は、弁護士会館クレオで開催され、5つのテーマにわたる19の議案すべてが可決されました。
(1)
少年・刑事財政基金のための特別会費徴収等の件(1?3号議案)は、賛成7608名(代理出席、会出席含む。以下同じ)反対256名、棄権7名で可決された。
この結果、当番基金特別会費月額4200円が2009年5月に終わった後同年6月から少年・刑事財政基金特別会費として月額3100円が徴収される。
(2)
小規模弁護士会助成に関する規程の一部改正(4、5号議案)は、圧倒的多数で可決され、毎年1月1日時点の会員数に応じ、会員70名以下の弁護士会に500万円(上限、以下同じ)の助成金が支給され、会員80名以下では400万円、会員90名以下では300万円、会員100名以下では200万円の助成金が支給される報酬規程、広告規程の一部改正(6〜9号議案)は、圧倒的多数で可決され、来年4月1日に施行となる。
(3)
懲戒処分歴の開示のための会則一部改正等の件(10〜13号議案)は、賛成8281名、反対873名、棄権52名で可決され、関連議案も圧倒的多数で可決された。これにより依頼者又は依頼をしようとする者から請求があると、過去3年分の懲戒処分歴(戒告は公表されたもののみ)が開示されることとなる。施行は、来年7月1日から。
(4)
弁護士の職務上の氏名に関する会則一部改正等の件(14〜19号議案)は、破産管財人や成年後見人になる際に通称を使用するために必要な制度であるとの意見が出され、圧倒的多数で可決された。

国際人権規約委の勧告実現を求める
院内集会
日弁連は、12月8日12時より、参議院議員会館で、標題の集会を開き、私は冒頭の主催者挨拶を行いました。10月中旬ジュネーブでの定期審査を経て、31日発表された総括所見は、日本政府の怠慢を厳しく糾弾する画期的なものでした。この勧告の実現を図るための第一弾として国会議員と政府担当者を対象として、NGOの参加も得て行いました。当日、臨時国会の開催日と重なったため議員さんの動きは定まりませんでしたが、20人余も参加して頂きました。政府担当者の説明はジュネーブの時同様木で鼻をくくったような官僚答弁でNGOの厳しいブーイングを浴びていました。
唯一の救いだったのは、外務省人道課長が海道日弁連自由権ワーキング副座長と一緒に司会進行の役を引き受けて頂いたことです。日本国民の人権状況を世界に誇れるものにするということは、政府の役人さん達も同じように願っている筈です。その共通の願い実現のための一歩となると考えています。
各政党との朝食会
 本年度政党との朝食懇談会が6回行われました。
主催者は、日本弁護士政治連盟(弁政連)です。
政権与党の自民党、公明党と野党の民主党との会合が各2回設営され、他の野党との会合の機会はありませんでした。弁政連は、現在元日弁連会長の本林さんが理事長で、日弁連会員が任意加盟をしている日弁連の外郭団体です。

 日弁連は自治権を有する強制加入団体であり、政治信条の異なる者が会員となっていることから、特定の政治活動をすることは問題があるといわざるを得ません。そこで、任意加盟の団体としての弁政連があるわけです。
関連士業では、司法書士政治連盟、行政書士政治連盟、税理士政治連盟、社会保険福祉士政治連盟等があり、100%近い組織率を誇って強烈なロビー活動を展開し、職域拡大のため弁護士の職域侵奪に力を注ぎ、司法書士の簡裁代理権の確保等目に見える成果を上げています。行政書士や社会保険労務士等も代理権の確保等を狙っての活動を強めています。
 これらの策動に対抗するためにも、また、日弁連の政治課題を実現するためにも政治家に対する働きかけは必要不可欠なものです。そのような観点から進められる弁政連の活動に対し、日弁連執行部としては連携して対政治家活動を行っているわけです。どうか、多くの会員の皆さんに弁政連に加入下さるようお願いいたします。

〔公明党との朝食会〕
 11月17日午前7時30分より9時半まで、ホテルニューオオタニで行われるため、私は、朝6時半に蒲田の自宅を出ました。大田委員長、浜四津代表代行、冬柴幹事長等20名近くの公明党議員が参加されました。
 日弁連側からは、裁判員裁判の円滑な実現、国選弁護料と民事法律扶助の拡充等の要請を行い、意見交換をしました。

〔自民党との朝食会〕
12月12日午前7時40分より9時半まで、ホテルニューオオタニで行われるために、7時10分前に家を出ました。
 高村元外相、保岡前法相、津島税制会長等そうそうたる議員が20名を超えて出席されており、総選挙が近いことを窺わせる状況でした。
 日弁連側は公明党に対するのと同じ要望をしました。

〔民主党との朝食会〕
 12月19日午前7時40分より9時半までホテルニューオオタニで行われ、この日も早く自宅を出ました。
朝食会には、江田五月参議院議長、横路衆院副議長、鳩山幹事長、山口2区の平岡議員等20名を超える多彩な顔ぶれで、次の総選挙では、政権を奪取するのだという大変熱の入った雰囲気でした。
 日弁連側は、他の政党と同じように裁判員裁判、国選弁護料、民事扶助の問題等を要請しました。